第14話

悠はドアの前に立ったまま、動こうとしなかった。

葵は顔を上げる。

「まだ何か?」

悠がスマホを差し出す。画面には一通のメールが開かれており、差出人はNexusラボ北米本部の法務責任者だった。

「Y市再開発区の管理委員会から通知がありました。Nexusラボの名義借りスキームが規約違反にあたるという告発があったらしく、法人の実質的支配者の身分証明書類を追完するよう求めてきています」

葵はスマホを受け取り、メールの本文に二度、ざっと目を通した。

告発。

実質的支配者の身分証明。

スマホを悠に返す。

「告発の出所を洗って」

「すでに動いています。初期調査では、商業登記の内部システ...

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